愛というもの~哀しみの中で~
その日はお風呂に入ると昌くんだけ家に帰って行った。明日からまた仕事をするらしくて朝が早いからって。

恭吾も慣れない人たちに囲まれて疲れたのか、目を覚まさず朝まで眠っていた。

次の日も真さんはうちに来た。
私は昨日昌くんと話をして遺骨は芹沢家のお墓に入れてもらうことにした。その事を伝えると、早速義両親に連絡をしていた。
手続きとかがあるらしい。結局私はなにも知らなくて周りに頼りっきりだった。

「昨日、昌が社長といろいろ手続きしてきたらしいけど、保険金とか、労災とか、とりあえず当分は茉莉さんも働かなくても十分に生活が出来るだけの金額は保証されるらしい。」

そんな…お金なんて…
いらないと思ったけど、やっぱり恭吾を育てて
行くには必要だった。

「うちの先生もお金の面のお手伝いはしてくれるらしいの。プロだし、頼ってよ。」

そうやって周りの助けでいろいろな手続きをしてもらい、その間私はただただ呆然と生きていた。
たまに由実ちゃんのお母さんも訪ねて来てくれて私はひとりになることはなかった。

でもそれには限界があった。
由実ちゃんに陣痛が来たのだ。一緒に産婦人科に行き、由実ちゃんはそのまま入院になった。
由彰くんの時も陣痛が始まってから出産までが早かったけど今回は更に早かった。
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