愛というもの~哀しみの中で~
昌くんを先に家まで送ると、私の家に3人で帰ってきた。

「このまま荷物をまとめてください。お義母さんが言っているのは正しいことです。もう大丈夫ですから。」

「茉莉さんが気にしなくていいんだ。俺から言い出したことだし、彼女とは結婚をするつもりもないから。母さんが勘違いしているだけなんだ。」

「そういう問題じゃない。恭吾は甥でも私はあなたと血のつながりも何もない赤の他人です。一つ屋根の下で一緒に生活してるなんてお付き合いしている彼女はきっと嫌だと思います。大人とか関係ないです。」

私は本気で怒って真さんに意見した。本当は甘えすぎていた私が悪いのに…。
真さんは私の顔を見て大きくため息をついた。

「それでも、俺はここにいて恭吾と茉莉さんのそばにいたいんだ…」

「なぜ?…もう本当に大丈夫なんです。死にたいなんて言わないから。帰って下さい。お願いします。これ以上は私が嫌なんです…」

真さんは困ったような少し苛ついた顔で頭を掻いていた。
恭吾は私の腕の中でぐっすり眠っている。
大丈夫。私には恭吾がいるから。
思わず恭吾を抱っこしている手に力が入る。
3才になって本当に大きくなった。ただでさえ重たくなった恭吾の抱っこは眠っていると更に重たくて落とさないように必死だった。
私がしっかりしなくては…
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