愛というもの~哀しみの中で~
22
私が仕事復帰するまでの1週間は由実ちゃんが実家から帰ってきており、由彰くんと昌美ちゃんを連れて毎朝うちに来た。
それから一緒に保育園へ恭吾と由彰くんを連れて行った。
恭吾は保育園では今までバイバイの時に泣くことはなかったのにあれ以来私にしがみついて離れようとせず大泣きした。
なんとか先生が抱っこしてその隙に逃げるように教室から出るというのが続いた。

「恭吾があんなに泣くの珍しいね。大丈夫?茉莉ちゃん。」

由実ちゃんは心配してくれていて、以前相談しなかったことを怒っていたのを思い出した。

「私ね、真さんに出て行ってもらった次の日にぐずる恭吾を怒鳴ってしまったの…あの人はパパじゃないでしょって…」

「そっか…恭吾、乗り越えてくれるといいな。茉莉ちゃん大変だけど、今恭吾も頑張ってるんだね。茉莉ちゃんはもっともっと私や昌に頼って下さい。ひとりで頑張る必要なんてないからね!」

「…ありがとう。」

私はいつまでも泣いてちゃダメなのにまた涙が流れた。

その日から昌くんもうちで夕飯を食べ、恭吾と由彰くんと3人でお風呂に入ってから帰って行った。
由実ちゃんもまだ生後1か月の昌美ちゃんを連れて朝から来てくれて夜帰るのは大変なのに…。
< 246 / 350 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop