愛というもの~哀しみの中で~
「そうか、大吾は本当に茉莉さんのことが好きだったんだね。真が少しでも茉莉さんにとって大吾の代わりになればいいけど。」

お義父さんが私たちをみてそんなこと言うから、お義母さんは少し困惑した顔をしていた。

「あなた、真は大吾じゃないのよ。それに茉莉さんは大吾の奥さんなんだから。」

「うん、でも二人を見ていたらこういう形があってもいいんじゃないかなと思っただけだよ。恭吾もなついてるし。ただ思っただけだよ。」

お義父さんは力なく笑ってこちらを見てそう言った。

「俺もそれはありだと思ってます。」

昌くんもそんなことを言っていた。
どんな形でなにがありなのか私はかんがえる気力もないからただ聞いているだけだった。

「茉莉ちゃん、ちょっとあっちに行こうか。みなさん、ゆっくりしててくださいね。」

そういうと由実ちゃんは私を寝室に連れて行った。

「みんな好き勝手なことばっかり言ってねぇ。茉莉ちゃんの気持ちが一番だからね。こうしないととかするべきとかないから。人が集まって疲れたでしょ。少し横になって。何にも食べてないんだから体力もないでしょ。でもね、食べないと本当にこのまま茉莉ちゃん死んじゃうよ。」

私を少し怒りながら由実ちゃんは涙を流した。

「ごめんね。私どうしても何も考えられなくて。」

そういうと、ベッドに横になった。
恭吾と由彰くんが寝室に走って入ってきて走り回りだしたから由実ちゃんは二人を連れてリビングに行った。
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