愛というもの~哀しみの中で~
寝室にひとりになりぼーっと天井を見上げていたら誰か入ってきた。
私はてっきり由実ちゃんだと思っていると、私が横になっている隣に座ったのは真さんだった。

「茉莉さん少し眠れそう?疲れただろう。人が沢山来たからね。これからみんなでご飯を食べに行ってもらうようにしたよ。父さんが連れて行ってくれるみたい。行きたかったら一緒にいく?」

私は天井を見上げたまま首を振った。

「恭吾はどうしようか?昌が連れて行くって言ってるけど?たぶん座敷のある店に行くだろうから由彰と遊ばせるんじゃないかな?」

私はゆっくりと起き上がった。
真さんをみると、真さんもまっすぐにこちらを見ていた。
そのまま私の腕を引いて抱きしめられた。

「好きなようにしていいんだ。茉莉さんがいいように。」

優しくそう言われて、真さんの体温に包まれるとなんだか少し胸が楽になった。
いつもすごく重たいなにかが吊るされている感覚だったから。

「うん。恭吾が行きたがるなら一緒に連れて行ってもらえると助かる。」

「じゃあそうしよう。やっと茉莉さんの声を聞いたよ。良かった。少しずつでいいんだ。一緒にいるから。」

私は頷いた。

「じゃあ、恭吾は行きたがってるから連れて行くよ。昌美が寝てしまったからお願いしていい?」

いつからいたのか昌くんが真さんの後ろに立っていて昌美ちゃんを抱っこしていた。
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