愛というもの~哀しみの中で~
26
その日はもう遅いからと、義両親と由実ちゃんたちは帰って行った。
真さんはいつも通りに恭吾を、お風呂に入れて寝かしつけてくれた。

「茉莉さんも寝ない?」

「夕方に寝ちゃったから目が冴えてしまってるの。」

私はキッチンで洗い物を済ませてリビングの方へ行くと真さんがソファーに座って手招きをする。

「おいで。」

私はその少し甘い雰囲気を纏った真さんに戸惑いながら隣に座った。
真さんは私の背中に手を回すと、引き寄せて私を自分にもたれさせる。

「改めてこれから宜しくな。本当は隣が良かったけど…まぁ、仕方がないな。同じ階なだけでも良しとしよう。」

「そんなに真さんの生活を犠牲にしなくていいのに…真さんだって今後結婚して子供だって。」

自分でそう言ったのに胸がチクチク痛かった。

「俺がそうしたいんだ。良ければ、茉莉さんが許す限り君の隣で一緒に恭吾を育てていきたい。もう茉莉さんも恭吾もいない生活は寂しくて出来ないよ。」

「でも…真さんも自分の子供が欲しくないの?」

「うん…もともと子供に興味なかったからね。恭吾に会うまでは。」

真さんはそう言って私をぎゅっと抱きしめた。
私の頭の上に顔を乗せてすりすりと頬をすりよせていた。
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