愛というもの~哀しみの中で~
ご飯を食べ終わると、私とお義母さんで片づけをし、お義父さんと真さんと昌くんはお昼だけどビールを飲んで大吾の話を続けていた。

「茉莉さん、今日は少し元気そうで安心したわ。あのね、こんなこと言うと迷惑かもしれないけどもっと私たち会えないかしら?恭吾の成長も今まで見れなかったからこれからは一緒に見守っていきたいの。今は真が一人で抱え込んでるけどみんなで育てていけたらって思ってるの。」

「…はい。ありがとうございます。恭吾もたくさん家族ができて喜んでます。真さんのことも…すみません。私がもっとしっかりしていれば犠牲になることもなかったのに…。」

お義母さんは困ったように笑って私の肩に手を置く。

「そういう意味ではないのよ。さっきも言ったけど真って大人しそうな顔してすごく頑固なの。こうって決めたら周りがなんて言っても曲げないし。透子さんのことも…」

お義母さんがもし私たちの関係を知ってしまったらどうなるのだろう…。
あくまでも義兄妹の関係だと思っているに違いない。

「俺の悪口?ひどいなぁ。頑固なのは認めるけど。」

声がしてびっくりして振り返ると少し顔が赤い真さんが元気なく笑っていた。

「悪口なんて人聞きの悪い。あなたの性格を話していたのよ。茉莉さんも気づいていると思うけど頑固で強引なのよ。」

そう言ってお義母さんは笑っていた。
< 303 / 350 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop