愛というもの~哀しみの中で~
「本当は今日も無理してるんじゃない?今までも恭吾のためにいろいろ連れて行ってくれたけど…。」

「それはないよ。二人と出かけるのは楽しいよ。自分でも驚いてる。まさか自分がこんなに子供がというより恭吾がかな?可愛いと思うなんてな。」

そうなんだ。

「お付き合いしてる人と出かけても楽しいんじゃないの?」

「う~ん、考えてみたら誰にも本気ではなかった気がするよ。だからいつも振られてばっかり。」

真さんって大吾のお兄さんなだけあって実はモテてたんじゃないかな?
しかも本気じゃないけどお付き合いって真さんも遊び人だったのかな?

「本気じゃないなんて…。振られて当たり前。そうやって笑顔振りまいてたら女性は勘違いしそうだもん。やっぱり大吾のお兄さんだ。」

「そんなところで兄弟を実感されると困るな。一応付き合わないと手は出さないし、大吾みたいに遊んではないよ。あいつ、浮気とかしたの?」

私は思いっきり首を横に振った。

「大吾が遊んでたのは昔の話で私と付き合ってからはそんなことなかった。フフッ、一度浮気疑惑があったときの大吾すごかったの。私にしがみついて泣いてて。今の恭吾みたい。可愛かったなぁ。」

もう随分昔のことなのにあのファミレスでの出来事は昨日のことのように思い出せる。
あの頃に戻れたらな。もっともっと大吾を大切にするのに…。
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