愛というもの~哀しみの中で~
私は大吾を起こさないようにそっと腕の中から抜け出そうとするといきなり力強く抱きしめられた。

「ぎゃぁ!……だ、大吾?起きたの?」

心臓が止まるかと思うくらいびっくりして可愛いとは程遠い声が出た。

「クククッ、もっと可愛くきゃっ!とか言えよ。ククッ、おはよう。よく眠れた?」

私は恥ずかしくて大吾の胸に顔をうずめたまま頷いた。
そもそもこの状況が恥ずかしい…。
男の人と一夜を共にするなんて初めてだし、腕枕されてたし、目が覚めて抱きしめられてるなんて…。

「一つ屋根の下、一晩くっついて寝てたなんて進歩じゃね?幸せだな、茉莉?顔上げて見せろよ。」

昨日の夜からドキドキしっぱなしで私の心臓は壊れてしまうんじゃないかって言うほど今も更にドキドキしている。
恐る恐る顔を上げると優しくこちらを見つめる大吾と目があった。その瞬間、大吾の顔が近づいてきてキスをされた。
始めはチュッチュッて感じだったのに大吾の舌が私の口内に侵入してきた。ゾワワって背筋に何とも言えない感覚が走る。それに伴って変な声が出た。
< 50 / 350 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop