憧れの学園王子と甘々な近キョリ同居はじめました♡
頭を抱えていたら。
「…翼?」
梨沙の声がした。
「り、さ…」
驚いた顔で見つめる梨沙は。
俺の掠れた声が聞こえたかどうか。
「翼?どうしたの?
なんでこんな所にひとりで。顔色良くないよ…?」
慌てて俺に近寄ってくる梨沙に。
「梨沙…、靭帯なんか切ってないよな…?」
直球に尋ねた。
すると、梨沙はビクッと肩を揺らして「…お母さんから聞いたの?」と、質問で返してきた。
「ああ。
なんで、嘘なんかついたんだ…?」
こうなれば、全部聞いてしまう他ない。
そう思うようになった。
「そんなの…。
翼と、どうしても一緒にいたくて。病院なんかいたら、また翼との距離が遠くなるし、その間に他の女の子と良い感じになってたら嫌だし。翼には悪いけど、こうでもしなきゃ私に構ってくれないでしょ?」
言い出したら止まらないし。
開き直って、悪びれなく言う梨沙に俺はむしろ爽快な気分になっていた。