再びあなたを愛することが許されるのなら

「キャッ!」
「どうしました?」
「大丈夫、油跳ねてびっくりしただけだから」
「やけどしてませんか?」
彼女の手を取ってみた。少し赤くなっていた。
「早く冷やさないと」水道水で彼女の手を取り冷やした。
柔らかい手だ。
「大丈夫です。そこまでしなくても」
「それでも……」
ふと感じる甘い香り。
彼女の体が僕に触れる。
すっと彼女と目が合った。
その瞳は透き通るように綺麗な瞳。何かが僕らを引き寄せる。
引き寄せられたのは僕の方なのかもしれない。
自然と僕らの唇は重なり合っていた。
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