幼なじみの不器用な愛情
みなさんへ

突然こんな形でお店を辞める私をどうか許してください。

今までたくさん優しくしてくれた皆さん。こんな要領の悪い私を雇ってくれた店長。
本当にごめんなさい。

ぎりぎりまで皆さんにはどうしてもこのことを言えませんでした。
本当にごめんなさい。

私には両親がいません。両親に代わって育ててくれた祖母も亡くなり私には家族がいませんでした。いつも隠してたけど、本当は寂しくて寂しくて仕方なかったんです。
そんな私にとってこのカフェで出会った人はみんな家族のように思えて、本当にかけがえのない存在でした。勝手にそんなことを思ってごめんなさい。でもそのくらい大切で、ずっとずっと一緒にいたい私の居場所でした。

そんな皆さんを裏切るような形で辞めてご迷惑をおかけしてしまうことが本当に申し訳なく思っています。ごめんなさい。

今までありがとうございました。

高梨 華
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