幼なじみの不器用な愛情
「おばさん、元気?」
「あぁ。お前に会いたがってたよ。」
「え?言ったの?会ったこと。」
「いや。言ってない。でもずっと会いたがってる。」
「そっか・・・今度会いたいな。」
「喜ぶよ。」
「うん」
隆弘は事前に桜のきれいな場所を調べていた。

少し散り始めている桜がきれいだ。
車を降りると二人は並んで歩き始めた。

まだ夜風は冷たい。
「ほら」
隆弘は自分のスーツのジャケットを脱いで華の肩にかけた。
「いいよ。隆弘が風邪ひいちゃう。」
「俺は大丈夫。華の方が寒そう。」
「・・・ありがとう」
華は隆弘のぬくもりを感じながらジャケットにすっぽりと体を入れた。
「あったかい」
そう言って微笑む華に隆弘も自然と笑顔になる。
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