幼なじみの不器用な愛情
「ハンバーグランチふたつ。」
華は厨房に声をかけてから飲み物の準備をした。
慣れた手つきでアイスコーヒーを二つ用意する。ミルクと砂糖をトレーに乗せて華はテーブルへ向かった。
「先にアイスコーヒー二つお持ちしました。ハンバーグプレートはもう少々お待ちください。」
客席にコーヒーを置くと頭を下げてテーブルから離れる。
「店員さん!」
「はい。」
隣のテーブルに呼ばれてそのテーブルへ向かう。
「注文いいですか?」
「はい。かしこまりました。」

華は家の近所のカフェでアルバイトをしている。大学生になってからずっと続けているバイト。
このバイトは珍しく深夜まであいていて、華はお金が足りなくなりそうになると深夜勤務で高い手当と時給でやりくりしていた。

大学は4年生になり、一時は危なかった単位も今は余裕がある。授業も少なくなりバイトの日数も増やせていた。
< 41 / 305 >

この作品をシェア

pagetop