幼なじみの不器用な愛情
華も何度かカフェの客に後をつけられたり、連絡先を必要以上に聞かれて困った経験があった。
お互いに持ちつ持たれつで続けている。

「お待たせいたしました。ハンバーグプレートです。」
ランチタイムは忙しい。
「高梨休憩は?」
「まだです。」
先輩のバイトスタッフに声をかけられて華はランチタイムが終わってからやっと休憩タイムに入った。
店の物はアルバイト割引きで半額で食べ物も飲み物も頼むことができる。
華はだいたいバイト先で食事を済ませて、食費を浮かせることが多い。

でも最近おばさんから電話の後、自分の将来を考えてなるべくお金を使わないように食費を削っていた。

「お前、それだけ?」
ちょうど隆弘も休憩でハンバーグプレートとアイスコーヒーを頼んでいた。華は手にしていたのはオレンジジュースだけだ。
「うん。なんかおなかいっぱいで。」
華がそう言うと隆弘は自分のハンバーグを切って華の口に無理やり入れた。
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