目覚めると、見知らぬ夫に溺愛されていました。
まるでせがむ子供を言い聞かせるように言われ、少しムッとした。
何故か子供扱いされるのが、私は嫌なようだ。
というのも、蓮司さんに子供扱いされる度、胸の奥が掴まれたように痛くなる。
そして、切なくなって悲しくもなった。
記憶がないから、どうしてそうなるのかはわからないけど。

「百合?どうかした?機嫌悪いみたいだけど……」

蓮司さんが心配そうに覗き込んでいる。
「なんでもない……」そう言いかけて、あることを思い出した。
それは《三国お姉さんとのお約束》だった。
気になることや悩みは、一人で抱え込まず、社長か三国さんに相談すること……。
指切りげんまんした手前、ここで蓮司さんに言わないのは約束を破ることになる?
いや、でもこんなつまらないこと……。
< 107 / 285 >

この作品をシェア

pagetop