目覚めると、見知らぬ夫に溺愛されていました。
その日の別れ際、俺達は連絡先を交換した。
そして、明日も同じ時間に迎えに来ることを約束すると、百合は一言「はい」と小さく言った。

近所の小料理屋から始まった夕食会は、次にカジュアルなレストラン、そして、お好み焼き屋と続き、俺達は楽しい時間を過ごした。
最初は緊張を隠せなかった百合も、3回目に行ったお好み焼き屋では、かなり打ち解けてくれたと思う。
「絶対にお好み焼き屋に行ってください!」と三国さんが言うので、それこそ半信半疑で連れて行ったのだが、どうやら大当たりしたらしい。
お好み焼きを引っくり返す時のイベント的な盛り上がりとか、マヨネーズをかけるかかけないかの論争とか、何もかもが百合の笑いを誘っていた。

《鉄板は人の心の垣根をも焼き尽くす!》

それは三国さんの持論らしい。
その持論の根拠はわからないが、真実であったことを認めざるを得なかった。
ひょっとしたら、同じ鉄板で共同作業をすることが、気持ちを一つにしてくれるのかもしれないな。
と、勝手な推測をしながら幸せな時間に浸った。
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