目覚めると、見知らぬ夫に溺愛されていました。

ケーキ

沢山の食材とデザートを買い込み、私達は別荘に帰ってきた。
車のトランクからいくつもの袋を抱えて降ろすのは蓮司さん、私はデザートの箱を担当する。
キッチンの大きな冷蔵庫に食材を詰め終わり、ふとリビングの時計を見ると もう時刻は午後3時を回っていた。
大変だ!おやつの時間を過ぎている!
真っ先にそう思った私は、急いでデザートの食べ比べの準備をすることにした。

食器の場所がまだわからない私の代わりに、蓮司さんが戸棚からケーキ皿を出してくれた。
その皿に買ってきた5個のケーキを乗せ、フォークとスプーンを添える。
そして、未だ役立たずの私は、なんとかやったことのあるお茶係を担当することにした。
瞬間湯沸し器を目敏く見つけ、スイッチを入れる。
後は沸いている間にティーポットの用意をすればいい。

「ティーポットとティーカップ、出しておくよ?」

「うん、ありがとー」

と、お礼をいいながら振り向くと、そこにあったのは、とてもメジャーなブランドのかなりお高いもので、私は少し動揺した。
ど庶民は、ブランド様に弱い、というのはもう仕方のないことだけど、負けてはいけない!と、震える手を押さえながらティーポットを手に取った。
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