俺様紳士と甘えた彼とのハッピーエンドの選び方



 「………何で、そうなるんですか?」
 「だって、そうじゃない。無表情で暗くて何をしているわけでもなく、ただプラプラこの店に遊びに来る。そんな男性に何の魅力があると?」
 「祈夜くんの事を何も知らないのにそんな事言わないで下さい。彼は優しくて、そしてかっこいい男性です。祈夜くんの事をそんな悪く言うのは止めてくださいっ!」


 彩華とその女性が大声で話すのを、常連客は怪訝な表情で見ていた。けれど、それに彩華は気づくはずもなかった。


 「彩華ちゃん、落ち着いてっ!みんなも……」
 「訂正して謝ってください。祈夜くんをバカにした事を謝ってください!」


 彩華が怒りのまま彼女達に詰め寄る。
 けれど、目の前の女も感情的になっており「いやよ!その前にあなたも本心を言いなさいよ」と、大声を出している。

 月夜が落ち着かせようと両者の間に入ろうと思った時だった。相手の女性の怒りが頂点に達してしまっていた。月夜の制御の手は間に合わなかった。


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