俺様紳士と甘えた彼とのハッピーエンドの選び方



 彩華がそう問うと、祈夜はぎこちなく頷いた。
 その様子を見て、彩華はどうして祈夜が驚いたり、ぎこちない態度になったのかを理解した。彼は、男である自分が少女漫画を読んでいる事に驚いていないのかと聞いていたのだ。
 確かに女性は少年漫画を読むのも普通になっているけれど、逆である男性が少女漫画を読むのはあまり見かけない光景なのかもしれない。
 
 けれど、彩華はそこまで驚く事はなかった。
 彼が好きなのだから見ていたのだろう、と思っただけだった。
 きっと、祈夜はそんな姿を恋人に見られてどう思われてしまうのかと心配していたのだろう。
 そう思うと、少しだけ申し訳なく思いつつも、彩華は嬉しくなって微笑んでしまう。


 「………何で笑うんだよ。やっぱり似合わないって思ってるんだろ?」
 

 拗ねたようにそう言う祈夜に、彩華は焦って「違うよ!」と声を掛ける。祈夜は完全に勘違いをしているようだった。

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