俺様紳士と甘えた彼とのハッピーエンドの選び方
2話「好きになれない理由」





   2話「好きになれない理由」




 神社で出会った神秘的な雰囲気が似合う神主さん。
 彼の名前は姫野葵羽(ひめのあおば)は、彩華より年上の30歳だった。
 彼と出会って約1年になるけれど、知っているのはそれぐらいだった。
 保育園の散歩や帰り道に神社に寄り道をした時に時々会うぐらいで、葵羽と特別な関係になる事はなかった。

 恋愛経験が全くといってない彩華にとって、自分から好意がある事を伝えるのは、ハードルが高すぎた。
 それに、葵羽に気軽に声を掛けられない理由が、別にもあった。



 「では、今日も神社にお邪魔するので、しっかりご挨拶しましょうね。ご挨拶、どーぞ」
 「「お邪魔します!」」


 彩華の号令で、子ども達は大きな声で挨拶をした。神社の掃き掃除をしていた葵羽がそれを見てニコニコと微笑み、「どうぞ。沢山遊んでくださいね」と返事をしてくれる。

 彩華から注意点を話した後、子ども達は自由に遊び始めた。


 「葵羽さん、今日もお邪魔します。お掃除のお邪魔にならないといいんですが」
 「いいんですよ。子ども達と話をしながら奉仕する方が楽しく過ごせます。」


 ほうきを持ちながらニコニコと彩華が受け持っている子ども達を見つめていた。



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