俺様紳士と甘えた彼とのハッピーエンドの選び方
葵羽ルート 9話「アドバイス」





   葵羽ルート 9話「アドバイス」



 葵羽の車から逃げてしまった日から、1週間が経った。
 葵羽からは何回も連絡が来ていたが、彩華はまだ気持ちの整理がつかなく、彼に何も返事をしていなかった。メッセージの返事も電話も無視してしまっていた。
 葵羽は何回か職場の近くで待っていたようだが、わざと残業をして彼が帰るのを待っているようにしていた。


 友人の茉莉には「逃げてるだけじゃだめだよ」と言われてしまったけれど、どうすればいいのかわからなかったのだ。



 彼の別の仕事をしているのは教えてくれたものの、何故何をしているのか伝えてくれないのか。何か言えない理由があるのだろうか。それとも、彩華には教えたくないのか。

 彼に信用してもらえてないのだろうか。
 そんな風に思ってしまう。

 まだ、恋人として認められてないから、部屋にも招待されない。彼の仕事を教えて貰えない。深い関係にして貰えない。

 そう考えてしまうと、すべてがしっくりきてしまう。

 葵羽は自分の事を本当の恋人だと思っていない。そう思えてしまい、彩華は彼の事を考えるとため息ばかりが漏れてしまうのだった。


 先日買った葵羽へのクリスマスプレゼントを眺めると、とても切ない気持ちになる。
 葵羽にとって彩華はどんな存在なのだろうか。恋愛ごっこの対象なのだろう。
 そんな風に考えてしまうのがイヤで仕方がなかった。




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