絶対的Beast
「そこまでして飼い主助けて……ほんと従順なペットだな」

なっ!?

助けたのになんて言い方……!

私はペット発言に反論すべく、勢いよく大和先輩を見上げた。

だけど──────────

「っ……!!」

ードクンッ。

なに……その顔……。

いつもの不機嫌顔でもポーカーフェイスでも怪しい笑みでも、エセ爽やか笑顔でもない。

優しく細められた目に、柔らかく上がった口角。

こんな優しい顔……初めて見た。

心臓を鷲掴みにされる感覚に、急に息苦しくなる。
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