絶対的Beast
「言い返して何になる」

え……?

さっきまでの怒り顔はどこへやら……なんともいえない複雑な顔で私を見下ろしていた。

大和先輩?

「言い返したところで、柳川先輩は俺を理解するつもりなんてない。……そもそも、学園中のみんなに理解されるなんて不可能なんだから、無理に理解し合おうとは思わない」

……っ!

なに、それ……。

それは、そうかもしれない……だけど。

それじゃあなんで……。

私はジッと大和先輩の瞳を見つめた。

──────────なんでそんなに悲しい目をしてるんですか……?

そんな大和先輩の瞳に、胸の奥がキュウッと苦しくなる。
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