絶対的Beast
「は……はい……」

「葵唯? 大丈夫か? ……まさか、熱中症じゃ──────────」

違いますよ。

ただただ……依織先輩にドキドキしまくってるだけです。

そんな私の心の中なんて知る(よし)もない依織先輩は心配そうに私の顔を覗き込む。

あぁ……これじゃあ、さらに重症化してしまいます……。

「依織先輩、心配しなくても私は大丈──────────」

「香坂!」

ービクッ。

こ、この声は……!

依織先輩との大事な大事な時間を遮るヤツなんて一人しかいない……!!
< 270 / 376 >

この作品をシェア

pagetop