絶対的Beast
実際、準備に手伝いに、大変は大変だけど、少しは充実してる……と思うし。

なにより、こうやって依織先輩と話せただけで、疲れなんて簡単に吹き飛んで──────────

ーポンポン。

っ!!

頭に触れた優しい感触。

ゆっくり滑るように、私の髪をなぞる感触……。

「無理はダメだぞ? 倒れたら元も子もないんだから」

少し腰をかがめて、依織先輩は私の視線の高さに目線を合わせると、優しく微笑んだ。

い、い、今っ……あ、頭……頭!!

依織先輩に頭撫でられた!

私の顔の熱はカァァァっと急上昇して、グラウンドの熱気と合わさってクラクラしてくる……。
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