絶対的Beast
どう見てもまだ乾いてないでしょ。

さっきまでの笑顔もどこへやら、大和先輩の顔はいつものポーカーフェイスに逆戻り。

……そして、そのことを残念がってる私がいる。

なんで残念だなんて……。

確かにイケメンだったことは認めるけど……。

……もっと、見たいって……大和先輩の笑顔が見たいって、思ってしまっている──────────

ーガラガラ。

「外の方が乾くだろ。それに、実行委員の仕事が山積みだ」

「え? あっ、ちょっと! 大和先輩!?」

保健室のドアを開けて何事も無かったかのようにスタスタと去っていく大和先輩。

う、嘘……ほんとに行っちゃった。

確かにこの天気だと外のほうが乾くかもだけど……!!

私も取り残されないように、タオルをカゴに入れて、駆け足で大和先輩の後を追った。

* * *
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