絶対的Beast
また先輩のその瞳に映れて、その声で名前を呼ばれて……ほんとに幸せ。

「お久しぶりです!」

「あ、あぁ……久しぶり」

私は、未だに目をまん丸にしたままの依織先輩の元へと駆け寄り、先輩を見上げた。

私がこの紅海学園にこだわった一番の理由……。

それは、この早瀬(はやせ)依織(いおり)先輩と同じ学校に通いたかったから──────────

* * *

-約3年前。

1つ年上の依織先輩との出会いは、私が中学1年生の頃、友達に誘われてサッカー部のマネージャーになった時。

はじめは慣れない仕事で毎日が慌ただしく過ぎていき、依織先輩の存在に全く気づいていなかった。

……だけど、ある日──────────
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