絶対的Beast
私は小首を傾げて彼を見上げた。

「はぁ……。お前、勘まで鈍いんだな」

うっ……。

わざと大袈裟なため息をついた彼は怪訝そうな視線を私に向けた。

そんなの言われなくたって分かってるし。

しかも、“勘まで”って……。

彼は再び腕を組み直し、不貞腐れる私を例のごとく力強い瞳でまっすぐに見つめた。

「お前に代わりになってもらうんだよ」

「……え? ……私が!?」

驚きのあまり目を見開いて彼を見つめる。

えええええ!?

私、生徒会なんてやったことないし!

しかもこんな王様みたいな人と一緒に仕事なんて!!

今この時も、この人と二人きりのこの部屋から出たくてたまらないのに。
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