絶対的Beast
まぁ、呼び出しがない方がいいんだけど。

「ねぇ、葵唯ちゃん」

「ん?」

スマホにやっていた目線を目の前に座っている友梨香ちゃんへと移した。

「こないだ言ってたサッカー部の見学、今日とかどう?」

友梨香ちゃんはニコニコの可愛い笑顔で首を傾げる。

そーいえば、見学行こうって話してたっけ。

……橘花先輩の呼び出しに遮られたけど。

「うん、行く!」

私は友梨香の誘いに笑顔で頷く。

そういえば、入学式の日から依織先輩にも会えてないな……。

あわよくば、見学の時に一目拝みたい……。

あの優しい笑顔で、優しい声でもう一度名前を呼んで欲しい。
< 85 / 376 >

この作品をシェア

pagetop