氷点下できみを焦がしたい



「……へえ、そうなんだ」



寝ていたはずの永遠くんから声が聞こえて、私もお父さんも驚いて振り返る。


「なんだ、起きてたのか」


照れ臭そうに目を逸らすお父さん。
呆れたみたいに笑う永遠くん。



「……知ってたよ。

担任の先生たちに俺が元気かどうか聞いて気にかけてるのも、俺の写真部屋に飾ってるのも。

でも、それは「優等生の息子」だからだと思ってた」



「そんなわけないだろ。

たとえ永遠の成績が最下位だって、永遠がその、グレてヤンキーになったって、まあ心配はするし怒るかもしれないけど、大切な息子なことには変わりないよ」



ほら、そう言ったでしょう。
永遠くんは永遠くんのままで、十分愛されてるよって。


< 154 / 246 >

この作品をシェア

pagetop