氷点下できみを焦がしたい



「羽瑠、危ない!」




ぼーっとしていた私の耳に、菜乃ちゃんの大きな声が響いた。

驚いて顔をあげたら、目の前に白と黒のサッカーボール。





「っ!?」



バチン、と大きな音がして、サッカーボールが顔にぶつかった。


「い、痛……」


あまりの痛みに、思わずふらりとよろけて、そのまましゃがみ込む。

目の前がチカチカする……。



ボールの当たった額を手でさすっていたら、みんなが「大丈夫!?」「保健室行く?」と集まってくる。

な、なんか恥ずかしい……!
私がぼーっとしてただけなのに。


ズキンズキンと痛む額。
なんかもう、今日全然ツイてない……。


じわり、と目に涙が浮かんだ、瞬間。








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