身代わり婚~偽装お見合いなのに御曹司に盲愛されています~
何とか飛行機に滑り込み、大きく息を吐く。
俺が礼華を見たのは2年前、名前も身分も偽って営業部にいた時だった。
俺の母親は奔放な人で、7歳の時に俺を置いて出ていった。
その時初めて俺は、母親が愛人で、大企業大村グループの息子だと言うことを知った。
まあ、表面上はうまくやっていたが、父親に引き取られ、父、継母と、弟という環境に放り込まれ、いつの間にか感情を表に出すことがなくなっていった。
冷徹、冷静そんな言葉しか言われない俺だったが、それでもよかったし,適度な人との距離がちょうどよかった。
そんな多少、ヤサグレていた時期に、俺は礼華と初めて会話をした。