身代わり婚~偽装お見合いなのに御曹司に盲愛されています~
そんなことがグルグルと回る。経験値の低い私では到底大人の対応などできる訳もなく……。

どれぐらいの時間がたったのだろう?しばらく視線を逸らすことが出来ず見つめ合う。
何かを言わなきゃと思った時に、大村さんは表情を緩めると私の頬にチュっと軽くキスをした。

「あれ?」
思っていたものとは全く違い、私はバカみたいな言葉が口をついていた。

「あれ?ってもっと期待した?」

「いえ!そんなことは……」

クスリと笑って大村さんは、私から手を放すと優しく髪を撫でる。

「急がないから。ゆっくり俺を知って。ね?」
その優しい瞳に私は「はい」と答えていた。

ひとり初めての部屋でうまく眠ることが出来ず、白い天井を見つめる。
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