身代わり婚~偽装お見合いなのに御曹司に盲愛されています~
身体を起こそうとして、身動きすると、いつの間にか額の上に置かれていたタオルが落ちるのがわかった。
「無理しない」
そのタオルと取ると、ベッドサイドに置かれていたバケツで冷やすと悠人さんはまたもとに戻した。

ああ、熱を出したのか……。

この倦怠感も、ぼんやりする頭も、出ない声も……。
そして、あろうことか、悠人さんに看病をさせているこの状況に、申し訳なくて仕方がない。

しかし、それを伝えることも今はできそうになかった。

喉がイガイガするし、寒気もひどい。
なんとかこの喉を何とかしたくて、悠人さんを見つめる。

「水?」

通じたことが嬉しくて、私はコクコクと頷く。
もうろうとする頭の中、悠人さんが水をくれるのを待っていると、目の前に悠人さんの顔が近づく。

え……?

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