見ツケテ…
俺は、そこまで嬉しがっている友江の気持ちが理解できなかった。


結婚したばかりで離婚なんて考えられない。


子供は諦めてもうら他ない。


そんな思いが口を出て来そうになった時だった。


友江がリビングの引き出しから1枚の写真を取りだし、俺の前に差し出して来たのだ。

俺は受け取らないまま、写真を確認する。


白黒写真のそれがエコー写真だということには、すぐに気が付いた。


子供の頃、母親が自分の胎児時代の写真を見せてくれたことがあったからだ。


「こんな写真、いくらでも用意できるだろう」


俺はソファにふんぞり返ってそう言った。


その瞬間、友江の顔が曇るのがわかった。


自分でもひどいことを言っていると理解していた。


だけど、友江のために自分の人生をなげうつ覚悟なんてできているワケがなかった。


ほんの少しの遊び。


つまみ食いの予定だったのだから。

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