毒薬にキス



「嘘だ……普通に、触れ合って……キス、して……」

「未練をなくそうとしてるから。そのための動きは、できるんだよ」



淡々とした声が、11月の寒さにトドメを刺す。



「死なないで、くれる?辛いから」



涙が、伝う。私も、彼も、心にも。



「やだ……きみも、生きてないと……や」

「もとから俺は死んでるもん。生きてるひとじゃないのに、俺といて生きれたんだから……大丈夫だよ」


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