毒薬にキス



やだ。やだと、何度も。



「私のこと、嫌いなんじゃないの……?」

「嫌いだよ。生きようとしてくれないし、俺がすきって思ってキスしてるのにも、気づいてくれないし」

だから、手が震えていたの?



「……大嫌いで、だいすきだよ」

すぅと、息を吸う音が鼓膜を揺らす。

それくらい、静か。時の終わり。


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