毒薬にキス
だけど、私が死ぬからこいつも死ぬというのは、嫌なのだ。
『死なせない』と何度も言ってくれた彼は、何度も私にキスをして、私の存在を求めた。
存在していいよ、というように。
本音をひと通り告げて、すっきりしつつある私。
彼は、そんな私の心情に気づいているはず。
だから、いま、私が死ぬとしたら……彼のせいなのだ。
「目の前で死ぬのは、やめてね」
「うん、多分」
「ほんとは、死なないでほしい」
「そ……っか」