愛され秘書の結婚事情
七緒を脇へ追いやり、悠臣は勝手にシンクの棚を漁って目当てのステンレス製ボウルを見つけると、泡立て器を使って卵と砂糖と牛乳を混ぜた卵液を作った。
さらにその卵液をプラスチック製のバットに移し替え、縦半分にカットした食パンを置き、電子レンジにかける。片面レンチンしたパンを裏返し、裏面もレンチンする。
そのひと手間で、パンはしっかりと卵液を吸い込んだ状態になった。
悠臣はバターを溶かしたフライパンにパンを乗せると、極小の弱火にして、今度は手早く洗い物を始めた。