いつかあなたに会えたら
ふと気が付くと、私は彼のバイクにまたがり、後ろから彼に抱きついていた。

風を切って私たちはどこに行くのだろう。

こんな風に彼を抱き締めることはもうないけれど、私は受け入れようと寂しさを振り払う。

「  」

彼の言葉はやはり聞こえない。
彼の表情はわからない。
運命は変えられない。
彼の未来は変えられない。

でも、大丈夫だよと彼が言っているように感じた。


困難も痛みも悲しみも乗り越えて、運命が尽きるまで生きる。
いつかあなたに会えたら、今まで積み重ねた運命の話をたくさん聞いてほしい。


「大好きだよ」


私の呟きが風にかき消された直後、智史の背中越しに急に世界が眩しくなった。


私は目をつむって、彼を強く抱き締めた。




終わり
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