悪役令嬢になりきれませんの。
視察(?)しに来ただけなのに……令嬢




続きまして~向かった場所は~【シャルフィー】1階。カナルが馬車の中で軽く説明してくれたが……シャルフィーの1階がカフェテリアになっていて、2階が洋服屋とアクセサリー屋らしい……カフェは貴族、平民関係なく同じ場所で食べる。席など別れておらず最初こそはそういうのに抵抗があるお貴族様の客足はなかったみたいだが……この国の、王妃様御用達の飲食店ということもあり、今やこのカフェ内限定で身分差別はないらしい……



そして、2階……こちらはやはりお貴族様専用……という訳でもなく……一階と同じように身分関係なくくつろいで見れるようにしている……が、やはりここは、平民見たいに貴族の人が店で試着なんてできる訳もなく……サービスとして出張自宅販売もしている……まぁ、遠くに行けるわけもないので、国内にいる貴族様限定だけどね……




「お嬢様が考えになられたワンピースドレス。平民の間ではとても人気で予約が50件ぐらいあるみたいです。人員をもっと増やすべきだと思いますが……どうでしょう?」



「……経営のことはお母様とカナルに任せてるんですから、お二人で決めてください……と、言うか……私がオーナーって名乗るのにふさわしくないかと思いますの……」



「何を言ってるの?シャルネラちゃんはデザインを考えてくれてます、それだけでも名乗る資格があるのですよ?」




そう言って私の手を握るお母様に、デザインと言っても書いてるのはラルラだし……元はと言えば……前世で見て付けて着ていたデザインだし……いや、ちょっとはオリジナルあるよ?でも……それは元があるわけで…………





「とりあえず、シャルネラちゃん。どんな形であっても、人気を出したのはシャルネラちゃんなの。そんなに心配することは無いのよ……」





なんて、ほほ笑むお母様に私は頷く……そうよ。私はこの世界では悪役令嬢なのよ!!自信を持ちなさいシャルネラ!!





「そうですわね!!お母様!ワタクシ、シャルネラはお店を繁盛させて……もっともっと、領土のためにお金を稼ぎますわ!!」



「その意気よ!!シャルネラちゃん!!」





なんて、馬車の中の会話で、お父様とお母様、カナルとラルラは何故か涙ぐみ、応援してくれたのだった……






「ところで、お父様?先程から私の店の前で騒いでいるあの少女はなんですの?見た感じ……平民の上、貴族の真ん中ぐらいに見えるのですが?」




「あぁ、彼女はいつもアーやって、店の前で問題を起こすティアラ・ユーレライ男爵令嬢だよ……ユーレライ男爵が仕切る商会の間では女神のようだ。とも言われているが……なんだい、あのみずぼら「貴方……」





お父様の言葉をお母様が止める……それに、すまない。と謝るが……やはり、女神のように可愛いのはシャルネラだけだな。とお父様が親バカを発揮……それに、頷くお母様とカナルに困りながらも、停車していた馬車から降りようとするが……お父様にとめられる……






どうやら、彼女が店の前から離れるまでは馬車から降りれないようだ……







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