社長の溺愛にとかされて
「うっわー、いろいろある~」

大きなお祭りとあって、出店がずらりと左右に並んでいた。

たこ焼きやリンゴ飴はもちろん。
射的や金魚すくい、ヨーヨー釣りなど、おなじみの店が並ぶ。

大勢の人の喧噪に負けないように、少し大きめの声を出して話す。

「ねえ!あれ買って!」

私が指さした物を見て、慎也が「え?」と声を上げる。

「あれ欲しいの?」

私はこくこくうなずく。

私が指さしたのはお面やさん、可愛いキャラクターのお面が、
立てにずらりと並んでいた。

「子供用だから、顔からはみでるぞ」

「いいの、いいの」

そう言って、1つのお面を取る。

手にしたのは、ガオレンジャーの赤のお面。
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