社長の溺愛にとかされて
そう言いながらも、慎也の事は本当に頼もしく思っている。

いつも会社の事、ゲームの事を考えているような人だけど、
そんな人だからこそ、社長ができるんだし、

実力主義のスタッフも、納得して慎也についていく。

実力で勝負している人は、本当に凄いと思っていて、
そんな慎也を好きで良かったと思う。

でも同時にどうして、私の事を好きになってくれたのか、
疑問に感じてきた。

大学からの知り合いだけど、慎也はずっと私の事が好きだった訳ではない、
好きって言われるようになったのは、ほんの数か月の事だし、
その時に、きっかけになるような何かがあった覚えもない・・・

「・・・ねえ、慎也」

「何?」

「私の事、いつから好き?」

慎也は黙っていて、しばらくして、ぽつりと言った。

「リンゴ飴、一番大きいの買ってくれたら、話してもいいよ」

その言葉に、慎也の腕をかしっとつかみ、
ぐいぐい、リンゴ飴の屋台まで引っ張って行く。
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