ラヴシークレットスクール ~消し去れない恋心の行方



「変えなくてもいいんですよ・・・・きっと待っているんですから、入江先生は・・・・それでも自分のことがスキだとぶつかって来てくれる高島先輩を。」


蒼井の言う通り
彼のことをスキだという自分がぶつかっていけばいい
1回フラているから、またフラれるかもしれないけれど


もし、蒼井が言う通り、入江先生があたしの幸せを自分の幸せより優先しているのならば
あたしが入江先生のスキのベクトルを動かしちゃえばいいんだ
自分のベクトルとピッタリと重なるように・・・


「私が入江先生にスキだと想いを打ち明けられなかったのは、高島先輩には敵わない・・・そう思ったから・・・」

『そんな敵わないと思っていたのは、あたしのほう・・・』


まともに嫉妬すらできない無力感を味わわされた相手から聞かされた言葉に
あたしは恐縮せずにはいられなかった。


「入江先生にあんな愛おしそうな顔をさせられるのは高島先輩ぐらいなんですから。」

『・・そうかな?』

「そうですよ。だから、自信、持って下さい。」

『ありがと、蒼井・・・・』


引け目とか感じることなく
入江先生のことをまっすぐにスキでいてもいいんだと
思ってもいいこんな日が来るなんて
高校時代のあたしが知ったら驚くだろう



「でも、まずはその前に、怪我されている足をなんとかしないと・・・ですね。」

『ホントだね~』



クリニックという思いがけない場所で久しぶりに再会した蒼井とあたしは
高校時代に戻ったようにケラケラと笑った。

まだあどけなさが残っていた高校生の頃の蒼井ではなく、
大人の女性にと変貌を遂げていた彼女から聴かされた言葉によって、
あたしは自分の気持ちをもう一度、一歩前に出す勇気をもらった。




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