ラヴシークレットスクール ~消し去れない恋心の行方


この違和感はおそらく
高島という人間に
誤解されたくない
関係のない人にされたくない

そんな想いから来ているんだろう


蒼井のことだって
高島に誤解されたままでいたくない

彼女達がまだ高校生だった頃、
蒼井の存在が気になり始めたのは
彼女の中に放ってはおけないような危うさを感じたから


彼女が俺達の前からいなくなっても
その存在が気になり続けていたのは
怪我した彼女を助けてやれなかったという想いが強くて
彼女を忘れられなかったから


それが誤解されるような恋というのか
誤解されるような恋と言っていいのか

自分でもわからなかった

教師という立場で
そういう感情を抱くのはあり得ないのに


そんな中途半端な俺ができること
それは彼女をただ想い続けること
それを続けることで
自分を許してあげられるような気になっていたのかもしれない




でもそれは、意味を履き違えていただけだということを
俺はつい最近になって偶然再会した蒼井自身に教えられたばかりだ


「いろいろな経験をしたけれど、それが全て今に繋がっている・・・そう思っています。」

「そんな過去、そして今が本当にいとおしいんです。」


そう言った蒼井の横顔は穏やかで
永橋綾という俺の知らない氏名が書かれた名札を白衣に付けていた彼女の言葉に嘘はない
そう思った

そしてその言葉に
俺自身も救われたような気がした


その状況での高島の言葉の数々
もし、高島の俺のことがスキという想いをそのまま受け止めたら
彼女の好意に甘えてしまうようで怖かった

ずっと蒼井のことを気にかけていたのに
蒼井がきっともう大丈夫ということがわかった途端
高島のことを気にかけるなんて
あまりにも都合よすぎるんじゃないか・・と



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