お助け部ッ☆



「着いたぞ」

『広っ!!』



理事長室も超広い。
このフロア、全域が理事長室らしい。


いやいや、マンションの一室より更に広いんだけど。



ってか…ここまで来るのにエレベーターとエスカレーターを何度か乗り継いだんですけれども。


あたし、今何階にいるかわかんないし。



金かけすぎだよ、この学校…



あたしホントにこんなとこ通っていいのかな?



でも家ないし……




しかし、悩んだところで状況は変わんない。




『助かったよ』




とりあえず、ここまで連れてきてくれた爽やかくんにお礼。




「おう。あっち更衣室あるから、制服に着替えてから行ったほうがいーぞ」




彼が指差す【あっち】まで数百メートルあることに愕然としながらも、




『わかった。ホントありがとね』




と笑っておいた。




「おう!じゃーな」

『ばいば〜い』




去り際も爽やかな彼を、手を振り見送る。




あ、名前聞くの忘れた。


またいつか会えるよね。




……会えるのかな?こんなだだっ広い学校で…



あたしは遥か彼方に見える【更衣室】の文字を目指して、長く、真っ直ぐな廊下をひたすら歩き続けた。




< 13 / 332 >

この作品をシェア

pagetop