お助け部ッ☆
「着いたぞ」
『広っ!!』
理事長室も超広い。
このフロア、全域が理事長室らしい。
いやいや、マンションの一室より更に広いんだけど。
ってか…ここまで来るのにエレベーターとエスカレーターを何度か乗り継いだんですけれども。
あたし、今何階にいるかわかんないし。
金かけすぎだよ、この学校…
あたしホントにこんなとこ通っていいのかな?
でも家ないし……
しかし、悩んだところで状況は変わんない。
『助かったよ』
とりあえず、ここまで連れてきてくれた爽やかくんにお礼。
「おう。あっち更衣室あるから、制服に着替えてから行ったほうがいーぞ」
彼が指差す【あっち】まで数百メートルあることに愕然としながらも、
『わかった。ホントありがとね』
と笑っておいた。
「おう!じゃーな」
『ばいば〜い』
去り際も爽やかな彼を、手を振り見送る。
あ、名前聞くの忘れた。
またいつか会えるよね。
……会えるのかな?こんなだだっ広い学校で…
あたしは遥か彼方に見える【更衣室】の文字を目指して、長く、真っ直ぐな廊下をひたすら歩き続けた。