お助け部ッ☆



「莉央さん」

「なーに?」

「迷いました」

「みたいだねぇ…」




迷子になりました。




「ここ広すぎるんです。だいたい案内板とか置いとけよって話だし。ってかそもそも兄貴がどこで取材受けてるか知らないし」

「ほんとダメダメだね、恭ちゃん」




そんなこと言われたって。




「知らないものは知らないんです」

「そしてずいぶん開き直るの早いね」

「莉央さんはわかるんですか?」




さっきから何も言わずについてきてくださったのはいいんですけど。




「うーん…」




こめかみにグーをあて、漫画でしか見たことのなかった考えるポーズを、なんの違和感もなくやってのける莉央さん。




「あっち!」




そう言って、指差した方向に走っていった。




「……なんで?」




とは思ったけど、ここに残されると二度と太陽を拝めないような気がしたから、黙ってついていった。



















「まだですか?」




あっち!そっち!こっち!どっち?と、スタスタ歩く莉央さん。



けど兄貴は見つからない。




「大丈夫!翔たん、近くにいるよ」

「なんでわかるんですか」

「翔たんレーダー♪」




そう言って、ニコッと笑う莉央さん。



そんなん備わってるんですか。



兄貴、行方不明になる頻度高いのかな。




「あ!あそこ!」




目の前に大きな扉。




「ここ!」




重そうな扉だけど……




「えいっ♪」




バーンッ!!!!




「あ、力入れすぎた」




彼には片手で十分、いや、十分すぎた。




なんなんだろう、このギャップ。



激しすぎないか?





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