Little Gang
黒猫の素性

因縁の男


次の日の放課後?

カノン達に誘われ・・・というより強引に連れてこられて動物ケーキが有名なカフェに行った。

探し人の依頼人はカノン達。

協力者はハルカくん。

後で私の長い説教が待ってるからね。

性悪狐さん、覚悟しなよ・・・?

カノンは新宿駅の近くで働いてるからあの辺りのスイーツには詳しいらしい。


「ユリ、いらっしゃい。 いい女に育ったな」


オーナーの無神(むかみ)さんはとってもとっても素敵な人。

青髪や目元や上品ですらっとしてる。


『こんにちは、9年振りですね』


「ユリも高校生になったか? 紫苑の制服似合ってたぞ。 俺達の時とはデザイン、変わってしまってるけどな」

フッ・・・と笑う無神さんはやっぱり綺麗。


「ユリ? あの人と知り合いなの?」


『うん、父さんみたいな存在かな』


いちばん窓際の席に座るとカノンがメニューを見て残念そうにため息を吐いた。


「クマのが売り切れてるなんて、ショック〜」


『入るまでに並んだもんね。人気あるんだ』


「そうだよ。 ここのケーキ、SNS映えするし」


リサが角度を変えながら写メを撮って言う。

確かにこのパンダはよくできてる・・・。

食べるのがもったいないくらいだ。

桜さんも含め奥さんたちが一押しするだけあってお店の雰囲気はもちろん、評判もいい。

デートスポットで迷ったら、ここで食べたり持ち帰ったりする。

実はアイジさんも常連客だったりする。


「もー、絶対次はクマのを食べるんだから。今日はパンダで我慢してあげるけど〜!」


グサッ


『あ、』


「そ、そんな勢いよくフォークを刺さなくてもいいんじゃない?」


『パンダの顔が・・・』


「ああ・・・。 だってこうしないと食べれないでしょ?」


『そうだけど』


それにしても、ためらいがない。


「コーヒーに砂糖入れないの?」

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