続・政略結婚は純愛のように
「けれどこちらの方が加賀社長の奥様だとは、少し意外でした。」

佐藤の言葉に由梨の胸がどきりと音を立てた。

"由梨じゃ、加賀さんの奥様にはもったいないわ"

"マリアみたいな女の相手をしていた男が由梨で満足できるわけがない"

いつか従姉妹たちに言われた言葉が、脳裏に浮かぶ。
 取引先の人がそのような失礼なことを言うわけがないと冷静に考えたらわかるはずなのに、隆之に自分はふさわしくないのかもしれないという思いは由梨の中にまだ燻っているようだ。
 過剰に反応してしまう自分が情けない、由梨は心の中で自分を叱咤する。
 けれどそんな由梨の内心を知らない佐藤は少し戯けて由梨と隆之を見比べた。
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